米国重要経済指標Part2  FX初心者向けファンダメンタルズ分析第2回

米国経済指標

米国重要経済指標Part2 FX初心者向けファンダメンタルズ分析第2回

前回はこちら

眉毛先生
おお、ガルベス!

何やってんだ?

米国経済指標
ガルベス
見りゃわかるだろ!

音楽聴いてんだよ!

眉毛先生
何聴いてんだ?
ガルベス
きたじま・・・さぶろう?
眉毛先生
演歌かよ・・・。
ガルベス
バカ!男は演歌だろ!

あ、そうだ!

それより、こないだのアメリカの経済指標についてもう少し詳しく教えてくれよ!

前回は雇用統計とFOMC、GDPとか消費者物価指数について習ったけど、その他にもいっぱいあるんだろ?

眉毛先生
そう、たくさんあるよ。

ちょっと難しい話になるけど概要だけでも知っとくと、急に相場が動いてびっくりすることが少なくなると思うぞ。

ガルベス
なるほど。じゃ、はじめよう!

個人消費に関する経済指標

米国小売売上

眉毛先生
アメリカのGDPが米国の経済全体の強さを見ることのできる経済指標というのは覚えているよね?
ガルベス
おう!GDPだな。
眉毛先生
そのGDPの内訳を見ると個人消費が7割近くを占めているんだ

だから、個人消費が強さを確認できる経済指標に注目が集まるんだ。

ガルベス
こじんしょうひ・・?
眉毛先生
そう。

簡単に言えば、みんなが買い物をたくさんしてるかどうか

ガルベス
そういうことか。
眉毛先生
個人消費を見る経済指標の代表的なものに米国商務省から毎月中旬に発表される米国小売売上が挙げられる。

小売売上は百貨店などの小売業と飲食店の売上を元に集計されたデータなんだ。

毎月発表されるんだけど、その中でも最新のデータとなる速報値にまず目がいくんだ。

速報値は5000社程度のサンプル企業の売上を元に集計されたデータでの推計値なんだけど、最新の動向がわかるのでマーケットの注目はまずそこに集まる。

そして、前月発表したデータの改定値も発表される。

改定値は前月の速報値を修正したものなんだけど、12000社程度のサンプル企業の売上を元に集計されたデータとなっていて、より精度の高いデータになるんだ。

速報値からの修正が入ることが多いので、この前月分の改定値も注目されるデータの一つなんだ。

だから、結果を見るときは、速報値だけでなく、この改定値の結果を併せた結果を見ないといけないんだよ。

この米国の小売売上高は米国の景気を探る上では、特にクリスマスにかけての年末セール米国の新学期のシーズンの新学期セール(8〜9月)、ハロウィン(10月)の時期のものに注目が集まるんだ。

ガルベス
なるほどね。クリスマスか・・・。

眉毛は今年も一人なのか???

眉毛先生
余計なお世話だ!

そして、この小売売上高のデータは自動車やその部品販売やガソリンスタンドの占める割合が高いという特徴があるんだ。

だから、先行して発表される自動車販売台数の数字やガソリン価格の動向を元に市場の予想が形成されていくんだ。

ただし、自動車販売やガソリンの売上は変動率が激しいのでそれらを除いたコアと呼ばれるデータも注目されるんだよ。

ガルベス
へぇ〜。いろいろ奥が深いんだな・・・。
眉毛先生
そうなんだよ。一言で小売売上高といっても様々なデータが発表されてるんだ。

ガルベスのように短期の売買が中心の場合には深くファンダメンタルズ分析をする必要はないかもしれないけど、この小売売上高の発表直後はドルを中心に不安定な動きになる可能性があるってことは注意しておいたほうが良いぞ。

ガルベス
おう、わかった!

個人所得・個人消費支出・PCEデフレーター

眉毛先生
あと、個人消費の動向を探る経済指標で重要なものに個人所得・個人消費支出統計というのがあるんだ。

この統計は米国内在住の個人の所得財・サービスの消費貯蓄に関するデータなんだ。

個人所得は給与や事業収入などの収入から社会保険料や税金を引いたものが可処分所得、つまり使えるお金になる。

そこから消費に使ったお金を差し引くと貯蓄額になるんだ。可処分所得のうちこの貯蓄額の割合を示したのが貯蓄率となるんだ。

貯蓄率は少なすぎると過剰消費が懸念されるのに対し、高すぎると消費者マインドの低下が懸念されたりで判断は難しいところはあるけど、単純に所得、消費が上昇すると市場は米国経済にポジティブに反応するので、ドル買いで反応することが多いんだ。

あと、忘れてはいけないのが同時に発表されるPCEデフレーター

FRBが注目している物価指数なので、市場の注目度も高い経済指標なんだ。先行して発表される消費者物価指数に反応してしまい、大きな反応となることは少ないんだけど、市場予想との乖離が大きいと反応することもあるから注意が必要だね。

ガルベス
そうだな、眉毛もちゃんと貯金しとかねぇと結婚できねぇぞ。
眉毛先生
・・・・。

あとは消費者の心理状態、つまりマインドを探る経済指標としては消費者信頼感指数という指標があるんだ。

米国の消費者信頼感指数は2種類あるんだ。

一つはミシガン大が発表するミシガン大消費者信頼感指数で、もう一つがカンファレンスボードが発表する消費者信頼感指数

ミシガン大のものは調査のサンプル数が少ないけど速報値が早い時期に発表されるということで最新の消費者のマインドが確認できるデータとして注目されるんだ。

そのほか、ミシガン大のものは1年先や5年先のインフレ期待指数も併せて発表されるんだ。物価に市場の注目が集まっているときは、この消費者のインフレ期待が注目されることがあるんだ。

ガルベス
てことは、カンファレンスボードの消費者信頼感指数には反応しないのか?
眉毛先生

いや、カンファレンスボードの消費者信頼感指数も調査のサンプル数が多く信頼性の高いという特徴があるのでやっぱり発表後には市場が反応するよ。

いずれの指標も小売売上高や前にやった雇用統計やFOMCに比べると小さな反応だけど、市場予想との乖離が大きかったり、市場が動くキッカケを探しているような状況のときは無駄に反応するようなこともあるから、発表直後の動きには一応注意しておいた方がいいんだ。

じっくりとファンダメンタルズ分析を行う場合には消費者信頼感指数は小売売上高などの先行指標となるので、このデータのトレンドに変化が出てきたようなときは注意をしなければならない状況といえるね。

ガルベス
なるほど。じゃ、覚えとくよ。

住宅関連の経済指標

眉毛先生
次に住宅関連の経済指標について見ていこう。

住宅市場の動向は個人消費に大きな影響を与えるんだ。

ガルベス
なぜ・・・?
眉毛先生
家を買うと他にもいろいろお金を使うだろ。

家具を買ったり、電化製品を買ったり、他にもいろんなことにお金を使うことになるんだ。

だから、住宅市場が活発になってくると、米国の景気全体が押し上げられる傾向があるんだよ

ガルベス
なるほど。確かに引っ越しするといろいろお金を使っちまうな。
眉毛先生
米国の住宅市場を見る上で重要なのが全米不動産協会が発表する中古住宅販売件数(Existing-Home Sales)と米国商務省が発表する新築住宅販売件数(New Residential Sales)という2つの販売件数のデータがあるんだ。

特に中古住宅販売件数は米国の住宅販売の8割を占めていることもあって注目度の高い経済指標なんだよ。

ちなみに、新築住宅販売件数は売買契約が成立した件数なのに対して、この中古住宅販売件数は所有権の移転登記が完了した件数になるので若干遅めのデータとなる点には注意が必要なんだ。中古住宅販売件数に関しては、その前に発表される中古住宅販売成約指数(Pending Home Sales Index)というデータが先行指標となるんだよ。

中古住宅販売成約指数への市場の反応は限定的になることが多いけど、中古住宅販売件数の数を占う上では重要な経済指標なんだ。

新築住宅販売件数は中古住宅販売件数に対して先行性があることもあり、米国の景気の先行指標としても注目されるんだ。

ガルベス
そうなんだ。眉毛ももっと稼いで広い家に引っ越さないとな。

この部屋狭いから、雨の日は運動不足になっちまう・・・。

眉毛先生
じゃ、ガルベスもFXでいっぱい稼いで少し出してくれよ。

住宅関連の経済指標では他にも米国商務省が発表する住宅着工指数(Housing Starts)住宅建設許可件数(Building Permits)にも注目が集まるんだ。

住宅着工件数はその月に建設が開始された住宅戸数のデータで住宅建設許可件数がその住宅の着工の前に行われる許可申請における許可の件数を示したデータなんだ。

2つの指標の関係性を見ると、住宅建設許可件数が住宅着工件数の先行指標になる関係だね。

だから、住宅建設許可件数が米国経済の先行指標として注目することができるデータと言えるんだ。

ただし、これらのデータは天候などの要因でブレが出やすいデータだから、移動平均化して見る方が流れを掴みやすいデータと言われているんだ。

発表時の動きを考えると、この2つのデータは同時に発表されるので双方のデータの市場予想に対しての強弱でドルが反応する傾向があるんだ。

それほど大きなインパクトとは言えないけど、市場予想との乖離があると思わぬ変動となることも有り得るので一応注意が必要な経済指標だね。

そして、住宅市場は金利の動向と関係が深いんだ

米国の金利が高くなると、当然住宅ローンの金利も高くなるんだ。

だから、住宅ローンを組んで新たに家を買う人が少なくなったり、金利が上がる前に駆け込みで買おうとしたりする。

米国が金利を上げていくような場面では住宅市場が悪化していないかどうかにも注目すると面白いと思うよ。

ガルベス
なるほど。それにしても経済指標って沢山あるんだな・・・。
眉毛先生
あらら・・。もう飽きちゃったのか・・・・。

まだ、アメリカだけでも半分くらいだぞ・・・。

頑張れよ・・・。

ガルベス
え、まじか・・・・。
眉毛先生
そうなんだ。

でも、FOMC以外の米国経済指標は発表される時間のほとんどが日本時間の22:30(米国夏時間のときは21:30)と24:00(米国夏時間のときは23:00)だから、ガルベスのように短期売買中心のトレーダーの場合はこの時間に注意しておけばいいんだ。

経済指標の内容と重要度を理解しておけば、今日は何があるかをトレードする前に確認するという作業をして対策を立てればいいんだよ。

ガルベス
なるほど。

米国雇用統計と知らずにトレードしてるとこの間みたいに痛い目に逢っちまうからな。

企業の景況感に関する経済指標

眉毛先生
あとは企業の景況感を探る経済指標も覚えておくといいね。

米国の企業の景況感を探る経済指標の代表的なものにISM景況指数というのがあるんだ。

ISMというのはInstitute for Supply Management(全米供給管理協会)のことで、ISMが実施したアンケート調査による結果がISM景況指数なんだ。

ISMは米国の300社以上の企業の仕入れ担当者(購買部)に向けてアンケートを行なっているんだ。

仕入れ担当者は景気が良くて売上が増えると思ったら仕入れを増やすし、景気が悪くなって売上が減ると思ったら仕入れを減らすというのが仕事なので、景気の動向に敏感なんだ。

その仕入れ担当者へのアンケートなので少し先の米国の景気動向を反映している経済指標として注目されるんだ。

ちなみにこのISM景況指数は製造業非製造業に分けて発表されるんだ。

この指標は50が好不況の分かれ目とされていて、50を上回ると景気が良い、50を下回ると景気が悪いと判断できるんだ。

総合的な指数がニュースなどでは報道されるんだけど、実はこの経済指標は新規受注や雇用など細かい内訳も発表されているんだ。

内訳の雇用の数字は雇用統計の先行指標の一つとして注目を集めることもあるから、チェックしておくと雇用統計を予想するときに役に立つんだ。

市場の反応は先に発表される製造業への反応が大きいけれど、サービス業の占める割合も高いので、非製造業に対する注目もそれなりに高いんだ。

ガルベス
ほう。ISM景況指数ね。
眉毛先生
他にはマークイット社が発表するPMIというものがあるんだ。ISMと似たようなデータなんだけど、マークイットのPMIは欧州をはじめ各国のものがあるので、国別の比較ができるというメリットがあるんだ。

市場の反応はISMの方が歴史も古いので大きいけれどマークイット社のものはISMよりも速報値が早く出るので先行指標としてもチェックしておくと米国の景気を探りやすくなるんだ。

他にはISMの先行指標としてISMのシカゴ支部が発表するシカゴ地区のPMIがあるんだ。一般的には日本語でシカゴPMIとかシカゴ購買部景況指数などと訳されてるやつね。

シカゴは自動車産業の盛んな地域だけに米国の景気を反映しやすいという特徴があるので注目されるんだ。

ISMよりも少し前に発表されて市場の反応が大きくなることもあるから一応注意しておいた方がいい経済指標の一つだな。

ガルベス
本当にいっぱいあるな・・・。

眉毛先生
おう、後少しだ。頑張れ!

あと製造業の景況感を示す経済指標としては、NY連銀製造業景況指数フィラデルフィア連銀製造業指数などがある。

これらはISM製造業景況指数の先行指標として注目されるんだ。

NY連銀製造業が一番初めに発表されるので速報性が一番高い指標になるんだ。

市場の反応はそれほど大きくないけれど、市場予想との乖離が大きいとそれなりに反応が大きくなったり、製造業の景況感の悪化が危惧されているような場面では、この数値が弱いと市場の不安が強まるきっかけになったりするので注意が必要なんだ。

生産に関する経済指標

眉毛先生
次に生産に関する経済指標だけど、鉱工業生産がまず挙げられる。

鉱工業生産は鉱工業部門の生産動向を示したFRBが発表している指数なんだ。

同時に発表されれる設備稼働率と併せて注目されるんだ。

米国ではサービス業の方が盛んなイメージもあるけど、鉱工業も景気動向を探るには重要なんだ。

無論、鉱工業生産の数字が強くなれば、米国にとってプラスと考えられ、ドル高要因となるんだ。

設備稼働率は生産能力に対してどのくらい生産が行われたかのデータなんだけど、この数値が高まると、生産設備が不足している状態と考えられ、設備投資需要が増える傾向があるため、設備投資の先行指標として注目が集まるんだ。

ガルベス
なるほど・・・。
眉毛先生
だいぶ、眠そうだな・・・。

そろそろ終わりにするか?

ガルベス
バカにすんじゃねぇよ!

まだ大丈夫だ!

眉毛先生
ほんとにあと少しだから頑張れ!

次に生産関連だと製造業受注という経済指標も注目が集まるデータの一つなんだ。

そのなかでも先行して速報値が発表される耐久財受注に市場の注目が集まるんだ。このデータは出荷、在庫とかに別れているデータなんだけど、なかでも新規受注が注目されるんだ。細かいことをいうとその中の非国防の資本財受注が設備投資の先行指標として注目度が高くて、その数字に市場が反応することが多いんだ。

結構変動の激しい経済指標だけに市場予想との乖離も生じやすいから、発表後に思わぬ動きとなることもあるから注意したい経済指標の一つなんだ。

ガルベス
ほう。耐久財受注ね。覚えた。

貿易収支

眉毛先生
最後に貿易収支にも触れておこうかな。

貿易収支統計は通関統計に基づいて作成したものと、それを修正した国際収支ベースのものと2つに分けて発表されるんだ。

昔は為替相場に大きな影響を与える経済指標の一つだったんだけど、最近は影響が限定的になってるって特徴がある。

ガルベス
昔っていつの話だ?
眉毛先生
ジャックのオヤジが電話で取引してるころかな?いや、もう少し後までインパクトは大きかったかな。

少なくとも、ここ10年くらいはほとんど反応しないことさえある経済指標なんだ。

ただし、将来的に米国の貿易赤字が注目されるような状況になったら、また反応が大きくなったりする可能性はあるから、一応覚えておいた方がいいな。

ガルベス
そうか・・・。ムニャ、ムニャ・・・。
眉毛先生
おい、ガルベス、寝るな・・・!

あと、雇用に関しての細かい経済指標とかいろいろあるんだけど、今日は無理そうだな・・・。

今度にしよう・・・。

ガルベス
おう、今日はありがとな・・・。

おやすみ・・・・。

米国経済指標
眉毛先生
こいつ、テクニカルのときは元気いっぱいなのに、ファンダメンタルズの話をすると本当に辛そうだな・・・。