南アフリカランド、トルコリラ:高金利通貨の落とし穴?


高金利通貨の落とし穴? 南アフリカランド、トルコリラ

高金利の魅力!?

高金利通貨を買えば銀行の金利よりも高い金利が貰えるとの宣伝文句に惹かれてFXを始めた人も多いと思います。

日本人トレーダーにはスワップ金利を狙い、南アフリカランド円( ZARJPY )やトルコ円( TRYJPY )のキャリートレードを行なっている人が多いようです。

高い金利を貰えるというのは確かに魅力の一つですが、本当にそれは簡単に儲かるものなのでしょうか?

なぜ高金利かを考えよう

新興国が高金利なのには理由があります。

簡単に言えば、新興国は物価上昇を抑えるために高金利をせざるを得ないというのが理由の一つにあります。

南アフリカやトルコは消費者物価指数が毎年5%〜10%と高い水準となっています。

つまり、これらの通貨の価値が年々下がっていることを意味しています。

また、これらの国の経常収支は赤字が続いています。つまり、資産が流出している状態ということです。

これらを呼び込むためにも高金利にせざるを得ない状況となっています。

つまり、先進国が景気が良いから利上げするというのとは全く状況が違うと言えます。

20年で3分の1!?

南アフリカランド円の月足チャートを見ると、20年で3分の1程度まで価格が下落する下降トレンドが続いているのが確認できます。

いくら金利が高いといっても、原資産がこのような低下傾向にあるということを忘れてはいけません。

高金利通貨

南アフリカランド円の月足チャート

トルコ円に関しては10年近くで3分の1まで低下しているのが確認できます。

トルコリラ円

トルコリラ円の月足チャート

それは円高だったからじゃない?

と考える方もいるかもしれませんが、対ドルでも軟調な推移を続けています。

南アフリカランド

米ドル/南アフリカランドの月足チャート

これはUSDZARの月足チャートです。

高くなれば南アフリカランドが下落していることになります。

金利を取りにいくより、むしろ売った方が、キャリートレーダーのストップ売りを絡めて大きく獲れるのではと思ってしまうくらいです。

少し前に米国の利上げ開始が迫った場面で新興国通貨売りが強まった時期には20年前の4分の1程度まで下落したのが確認できると思います。

直近ではその戻しが入っていますが、これから、ECBの緩和縮小、米国のバランスシート縮小、将来的には日銀の緩和縮小と続く場面で売りが強まるというシナリオは十分に考えられそうです。

度重なる政局不安、地政学リスク

これらの新興国は政治的にも不安があります。

先日は南アフリカで汚職疑惑のあるズマ大統領が議会で不信任投票が行われました。結果はギリギリ不信任が否決されましたが、またいつネガティブな情報が入り込んでくるかわかりません。

トルコもエルドアン大統領の独裁色が強まり、欧州との関係も悪化傾向にあるほか、テロが頻発するなど地政学リスクが高い状況が続いています。

結論

結論として、これらの通貨ペアで金利目当てのトレードをするにはそれなりのリスクがあるということを頭に入れておかなければなりません。

高い金利が貰えるにはそれなりの理由があります。これらを踏まえた上で新興国の将来に期待したいという方は余裕資金の中で投資してみるというのは面白いと思います。

景気がよくなる場面ではこれらの国への投資が増え、短期的には上昇する局面もあると思いますが、大きなトレンドは下降トレンドということをお忘れなく・・・。